樹氷と温泉で名高い蔵王の麓に広がる山形市。四季折々の美しい景観と豊かな実りに恵まれ、仲間や家族と屋外で芋煮の鍋を囲む「芋煮会」の文化は秋の風物詩としてよく知られています。市街地からほど近い西公園は、二酸化炭素を吸収・固定するという緑の働きに着目し、地球温暖化対策緑地事業として整備された公園です。

田畑であったこの場所は、山形駅西の開発で発生した鉱さいの処分場として埋め立てが行われたあと、環境に影響を及ぼさないよう適切な対策を実施しつつ緑豊かな公園として2005年に開園しました。15.6ha(東京ドーム約3個分)もの広大なエリアには、大型木製遊具やじゃぶじゃぶ池のある遊びの森に加え、源泉かけ流しの温泉を活用した足湯・手湯、キャンプ場、いも煮広場、屋内多目的コート、テニスコートなどが揃っています。

現状

この公園の建設にあたり、豊かな緑とそこに住む生きものについての環境学習や、緑の中での健康づくりなど、色々な活動の場所となる「みどり・ひと・いきもの」との環を育む公園となることがコンセプトとして掲げられました。どんぐりから苗木を育て子供たちと植えたり、公園で発生した木の枝や幹を木チップにして有効利用したり、様々な取り組みが行われています。また、「子供たちに自然エネルギーの力を具体的に見せて遊ばせたい」と、風力、太陽光、人力(手押し)を使った揚水機器が組み込まれた大型遊具が設置されているのが特長のひとつ。じゃぶじゃぶ池につながった水槽部分から遊具の上部へ、それぞれの動力で水を汲み上げる様子を体感できます。しかしながら、このアイデアは素晴らしいとされたものの、実際に実現できる事業者が当時なかなかいなかったそうです。

ソリューション

山形県天童市に本社を置くソーラーワールド株式会社は、太陽光やバイオマスなど自然エネルギー機器の開発・販売・施工までを行っています。現在は社会的に環境や自然エネルギーへの関心が高まっていますが、1997年の創業当時は太陽電池そのものをほとんどの人が見たことがないような時代だったそう。「展示会で紹介しても興味を持って足をとめてくれる人は、ほぼいなかった」と代表取締役の武内賢二氏。公園の揚水や噴水でグルンドフォスの製品を知っていた武内氏には、この計画の相談が来た際に実現する目途がありました。太陽光を活用する揚水機器にグルンドフォスの再生可能エネルギー給水システムSQフレックスを提案。太陽光を活用したポンプで、毎分数十リットル揚げる能力のあるものが他社にはなかったからです。この装置では、晴天時には約220Wの電気が発電され、1分間に約90リットルの水を汲み上げることが可能となっています。また、導入にあたり懸念されたのは、その耐久性でした。太陽光を電力として使用する場合、天候に左右されることは否めません。この不安定要素はその時々にかかるポンプの負荷割合が大きいことを意味します。設置したものの1年ももたずに壊れてしまうような製品ではなく、永く安定稼働する高耐久のものが求められていました。

子供たちに見せるため、あえてオープンに設置されたSQF水中ポンプ

イラストで分かりやすく説明された揚水機器(風車、ソーラー、手押しポンプ)の仕組み

導入効果

凍結対策として、じゃぶじゃぶ池は冬季には水を抜き閉鎖されるため、SQF水中ポンプもこの期間は取り外されます。2004年に設置したポンプは途中一度全体的なメンテナンスを行ったほかは無事に稼働し続け、20年を経過した2025年、同機種にて入れ替えが行われました。通常水中ポンプは井戸内に設置され見ることはできませんが、ここではあえて子供たちに見えるようオープンかつ横置きで設置。その結果、落ち葉や枯草、小石などがポンプ内に入ってしまうこともあり、ポンプの設置環境としてはやや厳しいと言えます。この環境で長期間大きなトラブルもなく稼働してきたSQフレックスに、武内氏も大きな信頼を寄せています。

ポンプの設置環境としては厳しい状態の中、長年稼働しているSQフレックスの信頼性を評価しています。これからも再生可能エネルギーを取り入れたいと考えている人たちの夢を叶えるお手伝いをしていきたい。
ソーラーワールド株式会社 代表取締役 武内賢二 氏

 

 

冬場の凍結に備えて水が抜かれポンプは取り外される

武内氏はまた「様々な分野に再生可能エネルギーを取り入れるような仕事に携わっていますが、以前に比べて、活用への関心が高まっているのを実感しています。今後もより一層、再生可能エネルギーを取り入れたいと考えている人たちの夢を叶えるお手伝いをしていきたい」と語っています。ソーラーワールド社の知識・経験・アイデアを活かした工夫に、グルンドフォスのソーラーソリューションを組み合わせて生まれたこの西公園の遊具を通じて、地球温暖化対策とその啓蒙活動を発信できることをうれしく思います。

アフリカをはじめ、水へのアクセスが困難な地域でも、持続可能な電力供給手段としてソーラーパネルと組み合わせたSQフレックスが数多く導入されています。地下水と太陽光を活用することで、水道代や電気代の削減にもつながり、さらに取り扱いやメンテナンスが容易であることも大きな利点です。これからもグルンドフォスのソーラーソリューションは、脱炭素社会の実現と地球温暖化対策に貢献していきます。

 

 

 

ライフサイクルコストを最適化し、持続可能な給水で地球温暖化対策に貢献

再生可能エネルギー給水システム SQフレックス

太陽光エネルギーを基にした信頼性の高い水供給システム。1982年の販売開始以降、世界各地の水へのアクセスが困難な地域での導入実績も豊富です。エネルギー供給、性能ともに柔軟性に富み、地下水取水/給水、農業、畜産、公園の噴水、地方給水、防災井戸のほか、遠隔地での給水にも適しています。連続・断続運転仕様に設計され、SQF水中ポンプ、CU202コントロールユニット、IO50スイッチボックス、ソーラーパネルで構成。最大流量24㎥/h、全揚程250m、電源 30 - 300 VDC。

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