事例

ROシステムはインテリジェンスを獲得し、生産水1m3あたり70%のエネルギーを節約

当社はグルンドフォスiSOLUTIONSと協力し、すでに成功しているユニットをさらに改良しました。
Industrial Water Equipment 社, セールス・マネージャー, Justin Underhill 氏

状況

もしも Industrial Water Equipment (IWE) 社の逆浸透 (RO) 水処理システムが機能しなくなると、お客様によっては大惨事になりかねません。化粧品メーカーであれば、水の純度が低下して適切に監視されていない場合、全製造工程を廃棄しなければなりません。ビール工場であれば、水の純度が適正でなければビールの全バッチを失う可能性があります。

IWE社セールスマネージャーの Justin Underhill 氏は言います。「それほどまでに重要なのです。そして、ポンプは装置の心臓部です。だから、信頼性が高く、保証された製品が必要なのです。」

IWE社は、ROシステムを毎時150リットルを処理するコンパクトなものから、毎時2万リットルを処理できる8インチの膜を備えた大型のものまで幅広く提供しています。「水質20マイクロシーメンスから5マイクロシーメンス以下、さらには1マイクロシーメンスまでの水を製造するのが当社の使命です」と Justin Underhill 氏は言います。

IWE社が英国マトロックの工場でROシステムを製造して8年になりますが、彼は、システムの性能は良くても人の手に頼ってきたと言いました。

「『タンクが一杯にならない』と気づくのはお客様次第でした。さらに『水不足だ』『あの機械から変な音がする』『導電率が上がっている』『パラメーターから外れている』などの問題に対して、誰かが責任を持って関与し、対応をすることが常に必要でした。そして、大抵それは1人の人物に委ねられていました。その人物が休暇や会議で不在だったり、何らかの怠慢があったりすると、生産はストップしてしまい、その代償は非常に高くついていました。」

よって信頼性に加えて、お客様はよりエネルギー効率の高いユニット、つまり長期的に費用を節約する方法を求めていました、と彼は続けました。

写真: プロラインROシステムを点検する IWE社の Justin Underhill 氏。


ソリューション

IWEはグルンドフォスとチームを組んで既存のシステム設定を調査し、グルンドフォスiSOLUTIONSを利用することで、より良いものを作ることを検討しました。チームは、グルンドフォスのCRIEポンプ、DDA FCMデジタル定量ポンプ、ダイレクトセンサ、iSOLUTIONSモニタ(GiM)、新しいIWE iPROシリーズ用グルンドフォス遠隔モニタリングによるソリューションを見つけました。

「グルンドフォスのインテリジェント・ソリューションと協力して、ポンプのメンテナンスを最小限に抑える方法を見つけました。膜に何か問題があった場合、例えば膜間の差圧など、それは一段階早く検出されます。そしてコントローラーのメンテナンス不足として表示されます」 と、Justin Underhill 氏は言います。

彼は、グルンドフォスのiSOLUTIONSコントローラが、ポンプが疲弊しているか、熱くなっているか、差圧が低いか、セットアップに何か問題があるかを示すことができると続けました。「今では、ポンプによる常時監視によって、全てがリアルタイムで把握されています。『温度が上がった』『導電率がオーバーした』『流量が下がった』などです」。

さらにコントローラは、ポンプの流量、回転数、消費電力、運転時間を監視し、1時間ごと、1日ごと、1週間ごと、1ヶ月ごとに分けてポンプカーブを見ることができます。

「iSOLUTIONSの良い点は、遠隔操作ですべてを把握できることです。当社のお客様は、オフィスに座って、4マイル離れた生産ユニットのマシンを見ることもできます。スマートフォンでそれを拾い上げ、機械のコントローラと関連付けることができるのです」。

グルンドフォスのiSOLUTIONSによるアップグレードのもう1つのメリットは、ROユニットの設置面積が小さくなったことです。使用や操作の観点から、設置面積を小さくできることはお客様にとっての利点であり、すべてはポンプの違いに起因していると彼は言います。

「従来当社は標準的な機器を使用していましたが、それには固定速のポンプだったことを含め、多くの人の手に頼った作業がありました。常に一定の速度で運転していたのです」。

現在、グルンドフォスのiSOLUTIONSを使用することで、IWE 社のRO装置はIE5モータを搭載した可変速ポンプで制御されるようになりました。

「ポンプは需要に応じて速度を自動で調整します。これにより、ポンプのエネルギー定格が大幅に削減されました。21段で2.2kWのポンプから、13段で500Wのポンプになりました」。

彼は "古い "機械と "新しい "機械の物理的な違いとして、2.2kWのポンプは胸の高さまであるのに対し、500Wのポンプはバックパックに収まることを示し「フットプリントの変化を見てください」と述べています。

Justin Underhill 氏は、新しいROシステム内に設置されたグルンドフォスCRIE 500Wポンプの大きさを、旧システムの腰の高さまである2.2kWポンプと比較した上で示します。

成果

モータが小型化され、複雑さが軽減されたプレミアムROラインでは、iPROマシンが約70%のエネルギーを節約していると、Justin Underhill 氏は言います。

「この機械の運転にかかる日常的なコストを大幅に節約できるのです。また、膜が効率的に機能していないときには、圧力スイッチと相関して、生産ラインに問題が発生し得ることを教えてくれます。つまり、お客様はより柔軟な対応が可能になるのです。彼らが純水を必要としている以上、問題が起こる場合は、なるべく早くその事実を知る必要があります。私たちはグルンドフォスのiSOLUTIONSと協力して、既に成功しているユニットをより良いものにしたと言えるでしょう」。

新しいIWE iPROシリーズを共に開発することは、実りある協力関係だったと彼は最後に語りました。

「当社にとって望ましいのは、現代のテクノロジーを取り入れて市場に投入しながら『なぜ試さないのか』『これについて考えたことはあるか』『これをモデルケースとしてくれないか』『一緒に仕事ができないか』と言ってくれるメーカーと関われることです。
それらすべての質問に対する答えは明確です。
そうですね、やりましょう。共に取り組み、新たにデザインしましょう。変化を受け入れましょう」。

 

グルンドフォスの Luke Gardener 氏(右)は、スマートフォンアプリ「Grundfos GO」を介して、IWE社の Justin Underhill 氏と共にROユニット内のポンプシステムを遠隔監視しています。

グルンドフォスによる提供:

GrundfosグルンドフォスはIWE社に立形多段うず巻ポンプCRIEと流量制御モニタリング付き定量ポンプDDAを供給し、リアルタイムの監視、遠隔制御、故障予測、システムの最適化を実現しました。ダイレクトセンサやグルンドフォスiSOLUTIONSモニターなどの他のコンポーネントも、グルンドフォスiSOLUTIONSの一部として含まれました。iSOLUTIONSの詳細はこちら