灌漑:水力学の基礎
水ポンプシステムにおける水力学と流量、揚程、出力の関係について学びます。
「水力学の基礎」のトピックタスクへようこそ。
まずは基本原理からはじめましょう。
水を移送するポンプシステムの
水力学で重要なパラメータは
主に次の3つです。
- 流量
- 揚程
- 出力
記号ではQ、H、Pです。
流量は立法メートル毎時で測定されます。
揚程の単位はメートルで、出力はキロワットです。
流量とは、一定時間内にポンプが配管を通して
移送する水の量を指します。
よって、流量は立法メートル毎時で測定されます。
揚程とは、ポンプが提供できる圧力のことを指し、
上昇させることができる水の高さで測定します。
よって、揚程の単位はメートルです。
つまり、揚程が40mのポンプは、
縦方向の配管で水の高さを40mまで
上昇させることができます。
揚程は押上揚程と吸上揚程に分けられ、
圧力として換算することができます。
ですが、全圧力が働くわけではありません。
一部は配管系統における摩擦で失われます。
水ポンプシステムにおける出力 (P) とは、
水が移送される圧力と速度を指し、
流量 (Q) と揚程 (H) の両方によって決定されます。
出力の単位はキロワット (kW) です。
流量、揚程、出力は、次のような相互関係にあります:
P = Q x H x c
cはポンプ効率と重力、
流体の種類によって決まる係数です。
流量または揚程を2倍にすると出力も2倍になります。
両方を2倍にした場合、出力は4倍になります。
ポンプシステムで流体を移送すると、
流体とそれが接触する面との間に摩擦が生じます。
これによってエネルギーと圧力が失われます。
これが摩擦損失です。
摩擦損失は配管からエルボ継手、
バルブに至るまで、
システム全体を通して起こります。
摩擦の量を決めるのは
システム内の流量と流体の粘度、
そして配管の長さと表面積です。
また、水が移送される速度である流体速度によっても
影響されます。
流体速度 (v) はこのように算出できます:
v = Q / A x c
Qは流量、
Aは配管の断面積、
cは速度をメートル毎秒に変換する係数です。
水の量が多く、流れる速度が速いほど
摩擦損失は大きくなります。
流体速度を最小限にし、摩擦損失を抑えるには
主に2つの方法があります:
流量を減らすか配管の直径を大きくするのです。
配管の直径を大きくすると
ポンプシステムの初期費用が増えますが、
長期的に見れば
配管が大きい方が摩擦損失は小さくなり、
ポンプシステム全体の効率が高くなるため、
総合的なライフサイクルコストを低く抑えることができます。
ポンプシステムを考えるうえで重要な問題に蒸気圧があります。
蒸気圧とは、水が蒸気に変化する際の
圧力と温度を指します。
通常の大気圧では、水は100°Cで沸騰します。
しかし、ポンプシステム内の圧力が一定のレベルを下回ると、
水が沸騰し始めます。
圧力が再び上昇すると
蒸気は液体に戻ります。
これはキャビテーションと呼ばれ、
ポンプに深刻な損傷を起こす場合があります。
キャビテーションとは何でしょうか?
キャビテーションとは、沸騰した水の中で
気泡が急速に形成され破裂する現象です。
インペラ入り口付近で、
圧力が水の沸点を下回った時に起こります。
水は沸騰すると蒸気に変わりますが、
再び圧力が上がって沸点を超えると
蒸気になった水の分子が破裂して
液体に戻ります。
このときポンプからは大きな破裂音が聞こえ、
インペラやポンプハウジングに
穴が開いてしまう場合もあります。
キャビテーションを防止する方法はいくつかあります:
ポンプ入口の位置を下げて入口圧力を上げる。
吸込配管の摩擦損失を減らす。
ポンプの流量を減らす。
そして、吸込水位の高さを上げるといった方法です。
これで「水力学の基礎」のプレゼンテーションは終わりです。
ここで学んだ知識を試して
タスクに挑戦してみてください。
ご参加ありがとうございました。