ボイラシステムの紹介

ボイラシステムの仕組みや注意点など、基礎知識をおさらいしましょう。

蒸気や熱湯の生産は、世界で最も大きな産業の1つです。同時に、改善の余地が多いにある分野でもあります。このタスクでは蒸気ボイラーシステムの主な部品と、効率的で信頼性の高い運用を実現する方法について解説します。

代表的な蒸気ボイラーシステムは、凝縮器、凝縮水タンク、脱気装置、ボイラー、エコノマイザー、そしてシステム内で水を移送する複数のポンプで構成されています。 

まずは凝縮器を見てみましょう:
凝縮器には、たった1つだけの、重要な役割があります:ボイラーシステムに戻る前にすべての蒸気を液体に戻すことです。水の中に蒸気が少しでも残っていると、ボイラータンクが破裂する恐れがあります。このリスクを防止するには、正しく機能する適切なサイズの凝縮器が必要です。

凝縮器の内部には冷水を通した配管があり、蒸気の熱を吸収し、温度を下げる仕組みになっています。ここで吸収された熱エネルギーは空気中に放出されることが多いですが、システム内のほかの部分に利用することで大幅な省エネにつなげることができます。例えば、バーナー用の燃焼用空気の予熱です。 

例えば、バーナー用の燃焼用空気の予熱です。 

凝縮された水はボイラー給水タンクの中に集められ、開放プロセスで失われ回収することができない蒸気を補うために補給水が追加されます。
わずか6カ月でボイラーを破損してしまうこともある腐食を防止するため、水は化学薬品で処理されています。これによって水が酸性にならずにすみ、脱気装置を使って水中の酸素と二酸化炭素のレベルを下げるプロセスの性能が向上します。 

この水処理工程を支えるのが薬注ポンプです。インテリジェントで正確な薬注システムを用いることで、高価な化学薬品の使用量を必要最低限に抑えながら、最小限の持ち越しで高品質の蒸気を作り出すことができます。 

薬品を使った処理が済むと、水は脱気装置へと送られます。ここで水が有孔トレーを通って流れ落ちる間に蒸気が上昇し、水中の酸素と二酸化炭素が取り除かれ、圧力保持孔から排出されます。
酸素と二酸化炭素をできる限り多く取り除くには、水を常に沸点に維持する必要があります。

グルンドフォスでは、凝縮ポンプを制御し、脱気装置に安定した流量の水を送り込むためにインバータを使用することを推奨しています。これによって温度の変動を防ぐことができ、水の品質が向上するとともに、給水ポンプにおけるキャビテーションのリスクを減らすことができます。 

配管とポンプ入口の圧力が水の蒸気圧よりも低くなり、蒸気の泡が発生して非常に高い速度と圧力で破裂することでキャビテーションが起こります。
ポンプに深刻な損傷を与えるキャビテーションを防止するには、適切なシステム設計と適切な給水ポンプの選定が必要です。 

まず、脱気装置を給水ポンプよりも高い位置に配置しましょう。これによって物理的な高さから生まれる圧力が高くなり、キャビテーションのリスクを減らしてくれます。次に、入口圧力が低くても正常に機能できるポンプをシステムに設置します。例えば、吸込性能を向上させる特殊設計のインペラを1段目に備えたポンプなどです。

給水ポンプを制御する方法はいくつもあります。シンプルな起動・停止信号から給水弁まで様々です。 

ですが、液面センサを接続した変速ポンプを使うと高額な給水弁が不要になる上、それによって生じる圧力損失も防ぐことができます。するとボイラー内の水位が一定に保たれ、消費電力と運用費の削減につながります。

ボイラーの中で、水はバーナーからの熱エネルギーを受けて温度が沸点まで上昇し、蒸気に変化します。このプロセスは排ガスを作り出し、ボイラーの温度が約300℃に達します。エコノマイザーを設置すると余剰エネルギーを回収し、ほかの目的に再利用することができます。 

エコノマイザーの仕組みは凝縮器と同じですが、より大きな電力を節約することができます。エコノマイザーの中を通る冷水管は排ガスの熱エネルギーを吸収し、温度を約300℃から50℃にまで下げることができます。ここで吸収した熱エネルギーはボイラーシステムや産業プロセスで活用できます。一部の国では、熱エネルギーを地域の暖房施設に売り、運用費を大幅に削減することも可能です。

最後に、ボイラーを出た蒸気はそのエネルギーを放出すると凝縮されて再び水となり、凝縮器に戻されます。このサイクルは繰り返され、インテリジェント設計のシステムは何十年も運転を継続することができるため、コスト効率と信頼性に優れた運用が実現します。

 

コース概要

モジュール
モジュール: 3
完了時間
完了時間: 20 分
難易度
難易度: 上級