地域熱供給の進化 – イントロダクション

地域熱供給の基本を理解するに当たり、1985年から新世紀までを簡単に見ていきます。

世界の人口は2050年までに70億人から90億人へと増加します。

その70%は都市に住むものと考えられます。 将来にわたるエネルギー需要を満たすたには、持続可能なソリューションが必要です。 すなわち、エネルギー効率性やコスト効果が高く、 大規模な実装にも対応できるソリューションです。

そして、実際このようなソリューションは存在しています: それが地域熱供給です。 このタスクでは、地域熱供給と、その技術がいかに進歩して今日のエネルギーを取り巻く課題に 実現可能な解決策をもたらしていったのか詳しく見ていきます。

その前に簡単に定義を確認します: 地域熱供給は、供給配管網を通じて 温水または冷水を中央プラントから広範囲な消費者に供給するための冷温水供給設備です。 水は室内温度を変更調節するため、また地域暖房、 家庭用温水のために使用します。

温水、冷水の集中生産により、 個別熱源の必要性をなくし、 また燃料をより効率的に使用することができます。 多くのプラントでは、太陽熱、地中熱、ごみ焼却廃熱、 風力などの再利用可能なエネルギーで稼働しているため、 燃料そのものが生産コストとCO2を削減する 要因となっています。

地域熱供給では、エネルギー源の間で切り替えることもできるため、 他の供給システムに比べて大きな変更を簡単に加えることができます。 消費者にとって、地域熱供給はすぐに使える身近なエネルギーです。

場所をとるボイラやチラーは必要ありません。 また、高価なメンテナンスや設備投資も必要ありません。 地域熱供給は、1世紀以上にわたって活躍しています。 今日、すべての都市、大学、大企業、 そしてあのホワイトハウスにも利用されています。

大まかに言いますと、 地域熱供給は以下の4つの世代を経て進化していきました: 地域熱供給の第1世代は、 200°の大量の蒸気を発する石油ボイラがメインで エネルギーの3分の2が煙となりました。

このシステムは狭い範囲を対象としており、断熱性に劣るパイプ、 過度に高温のため広範囲な熱損失を受けていました。 今日の基準から見ると、あまり効率的とは言えませんが、 当時としては本格的な暖房設備で、 都市の公害防止には威力を発揮しました。

第2世代の地域熱供給になると、 水蒸気から温水に移行し、パイプの質を高めることで 以前抱えていた問題を解決しました。 この進歩により、地域熱供給はより大きな規模で活躍するようになりました。 この間、熱電併給プラントはますます利用度を高めていきました。

このプラントは暖房向けの電力生産から生じる余剰熱を活用して、 燃料コストを大幅に削減しました。 第3世代の地域熱供給は、大半が現在のシステムで、 その大部分が熱電併給プラントからのエネルギーとなっています。

最大の違いの1つは、現在では供給温度が 100°以下となっていることで、 このため太陽エネルギーのような 代替エネルギーの生産を推進しました。 また、エネルギーの短期貯蔵によって、 プラント管理者は、価格が高いときに電気を起こし、 また価格が低いときは余剰熱を蓄えて 発電コストを抑えました。 一方で、技術はまだ進歩を続けています。

そして、最初の第4世代のシステムはすでにその姿を見せ始めています。 第4世代の地域熱供給は、 暖房用にははるかに低い温度で給水し、 冷房用にははるかに高い温度で給水します。 このことはすなわち、エネルギーの節約、損失エネルギーの低減を意味します。 また、地中熱のような低温で持続可能な エネルギー源の利用度が高まり、 環境負荷を減らすことにもつながります。

これに加えて、 新しい技術はエネルギーを数か月も蓄えることを可能にします。 さらに、毎日エネルギーを使用するプラントでは 稼働ピーク時には必要なエネルギー量を使用、 逆にそうではない時期には稼働を大幅に遅くして、 後々のためにエネルギーを貯蔵します。 当然ながら、地域熱供給のインフラ整備にかかる 初期コストは多額なものとなります。

しかし、傾向として、人口密度の高い地域または工業地域にあっては、 地域熱供給こそ未来のエネルギーソリューションです。

最後に、地域熱供給の利点をまとめてみます:

信頼性の高い暖房と冷房

大規模でも低コスト

環境への影響を大幅削減

消費者の利便性向上

不測の出費を回避

問題をなくし、メンテナンス不要にする 

コース概要

モジュール
モジュール: 3
完了時間
完了時間: 20 分
難易度
難易度: 中級