信頼性が高く効率性に優れた限外ろ過アプリケーション

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信頼性が高く効率性に優れた限外ろ過アプリケーション

水処理アプリケーションマネージャ Marco Witte、グルンドフォス、ドイツ Email: mwitte@grundfos.com

固体粒子を除去することは、それ以降の使用に適した清潔な水を供給するうえで必要不可欠なステップです。限外ろ過工場ではバクテリアや浮遊物など、最小0.01 µmの有効粒子を取り除きます。限外ろ過では、圧力が1 - 10 barの間に管理されます。限外ろ過工場の規模は、消費者が少ない農村地域での水供給のような小規模システムから、プロセス用水が必要な大規模な工業団地や数千人が使用する水供給システムまで様々に異なります。

限外ろ過分野における主な課題は以下の2つです:

  • 原水の状態変化 (濁度の上昇など)
  • 処理水の需要の変化

こういった課題は、最新のセットアップによって確実に解決しなければなりません。

グルンドフォスの総合水処理ソリューションを導入すると、いくつものメリットを得ることができます:

  • すべてのポンプコンポーネントが同じ言語で通信
  • ポンプシステムが流速の変動にも簡単に順応
  • エンジニアリングが簡単
  • 前処理および化学薬品を使った逆洗/洗浄プロセスで、インテリジェントかつ確実に薬品注入を実行
  • 省エネ
  • 化学薬品の節約

それぞれのメリットを詳しく見てみましょう:

インテリジェントブースタ*:

1.流量の変動と圧力の安定性:
インテリジェントブースタは、UFシステムにおける給水量需要の変動を相殺するのに役立ちます。UFシステムは「定流量ユニット」であるにも関わらずかなりの変動が起こる可能性があるのです。この原因は、季節による変化、プロセス変動、給水制限などです。ポンプの駆動系に適切なものを選ぶことができれば、絞り弁などのように電力を無駄に消費することなく流量を制御することができます。また、駆動系を用いると、給水量や吐出圧力 (の変化) に関わらず、ろ過膜のシンプルな定圧制御が可能になります。

2.省エネ:
エンドユーザーは定速ポンプに絞り弁を使って流量制限をすることが多々あります。これは電力と予算の大幅な浪費につながり、エンジニアリング段階でポンプのサイズが必要以上に大きめに設計されている場合はさらに深刻な問題となります。さらに、絞り弁を使うことでポンプの効率が下がるため、消費電力が上がるだけでなく効率も下がってしまいます。駆動系を利用すると、希望する流量と圧力要件を設定することができ、消費電力を削減し、効率を良好に保つことができます。

3.ろ過膜の摩耗:
さらに、高効率な増圧ポンプは始動・停止時の流量の変化による負荷を緩和する役目を果たします。状況によってはろ過膜の摩耗を促す可能性がある強力な水流を抑えます。

4.ろ過膜の劣化:
どの種類のろ過膜も最終的には汚れ、洗浄が必要になりますが、ろ過膜が詰まるにつれて、同じ流量の水を処理するのに必要な圧力が高くなります。駆動系がなく、定速ポンプを使ったシステムでは、定格透過流量が達成できなくなってきます。駆動系とポンプを使ったシステムなら圧力の変化に簡単に対応することができ、水質基準を満たしている限り、処理量を維持しながら洗浄の頻度を減らすことが可能です。

5.将来に備えて:
適切な駆動系とポンプを選択すると、それ以降のシステム更新を計画しやすくなります。トレインの変更やより最新の低圧力で機能する膜ろ過システムへの変更、プロセス流量の変化などです。柔軟なシステムは、それ以降に新たな装置を組み込む場合に費用が少なくて済み、環境にやさしく高性能の新テクノロジーを活用しやすくなります。

6.統合という考え方:
新しいポンプには駆動系が統合されており、この用途に合わせて最適化された駆動系はポンプ電動機の上に直接取り付けられ、連携して動作します。これによって電動機のサイズを小さくし、性能を最適化できるほか、ポンプを確実に保護することができます。また、特定のポンプに特化した駆動系も検討するとよいでしょう。市場に出ている駆動系の多くは様々な電動機のニーズをカバーできるように作られています。特定のポンプのために設計された駆動系は設置やセットアップが簡単に行え、効率性も優れています。

グルンドフォスのCR/CREポンプシリーズはこういった条件をすべてかなえてくれるモデルです。基本的なインライン型多段うず巻ポンプのCRシリーズはモジュラーデザインになっているため、ほぼあらゆる産業用水処理システムに応用でき、カスタマイズが可能です。

前処理と逆洗における薬品注入:

1.正確な注入:
グルンドフォスのデジタル定量ポンプは、必要な量の薬品を非常に正確に注入することができます。下の図からも明らかなように、注入量が少ない場合でもステッピングモータのテクノロジーを使って注入流量がほぼ途切れることなく一定に維持されます。注入流量は内蔵流量モニターによって制御されています。モニターが実際の流量を設定点と比較し、フィードバックが送信されます。

2.簡単操作:
また、スマートデジタルシリーズはモジュール式ポンプもあり、システム統合が簡単に行えます。明確なメニュー構成とプレーンテキストのメニューでポンプの状態が把握しやすく、日々の業務の負担を減らします。システム統合のもう1つのメリットは、ポンプとのデータ通信です。E-Boxを使って接続すれば、PLCと複数の方法で通信することが可能です。

図1:流量モニターの基本構造と注入量グラフ

効率的で確実なろ過プロセスを実現する数々のインテリジェント・ポンプソリューションを示した例です。

出典:
*Harland Pond:Using pump Variable Speed Drive Solutions in Membrane Filtration